日別アーカイブ: 2015/09/09

コラボ

スノボーのバートンと裏原のネイバーフッドのコラボです。
いつかはあると思いましたが、今更ながら刺激的です。

20150908 -

 

特許裁判について考察

最近、特許の裁判が増えたので、1つ経験談をご紹介したいと思います。

仮に、最高裁へ上告する場合、上告理由を出さなければいけません。
ここまでは、誰もが知っている通りですが、問題は、上告理由です。
憲法上の違反(例えば、基本的人権等の理念だけではなく、具体的に第OO条に違反する。)が1つです。
しかし、特許の訴訟の場合、憲法違反は、想定するのは困難です。
ですので、例えば、重要な判決(例えば、最高裁の判決)を指摘して、この判決文では、OOの適用基準について明記がないという上告理由が考えられます。
となると、それをそれ以前の裁判所、例えば、知財高裁、地方裁判所で、予め、争っておかないと、上告理由は書けなくなります。
なぜなら、最高裁は、具体的な事案に基づき、従前にない規範を作り出す訳ですから、前審で争っていないのに、いきなり、最高裁で主張することはできません。
以上から、仮に、最高裁まで争うとしたら、原告であれば訴訟提起前、被告であれば、第一審で最高裁まで争うか否かを決めておく必要があります。
ですが、ここまで考慮して裁判する人は少ないのですから、第二審が事実上の終結だと考えるのが普通かと思います。

更に、もう1つ、考察したいと思います。
頻繁に、被告は、裁判所で当然無効を被告は主張しますが、特許庁にも、同様に、無効審判を請求できます。
無効審判は、新規性・進歩性違反が考えられますが、それ以外にも、重要な要素があります。
それは、原告が、訂正請求(訂正審判)をする可能性があるということです。
仮に、無効審決が出なくても、訂正審決後のクレームが、訴訟対象製品をカバーしないことがあるからです。
例えば、記載不備を理由に、無効審判もできますので、クレームを減縮する可能性があります。
何も、特許そのものが、有効か無効かだけに拘泥する必要もない訳です。
となると、被告代理人として、応訴する場合は、訂正審判後のクレームも想定しておくべきかと思います。

最後に、もう1つ、考察したいと思います。
特許の裁判は、判決で終了する場合は、私の場合は少なく、大部分は、和解となります。
和解条項は、弁理士になじみがないので、理解に苦しみますが、弁護士に聞けば良いことです。
弁理士として重要なのは、その後のことで、どこまでの変更や改良が許されるかと思います。
となると、仮に、被告の場合は、仮に変更例については、特許庁の判定結果を尊重するという条項を入れるのも1つの方法かと思います。
逆に、原告の場合は、一切の変更例も認めたくないのですから、このようなことを考慮する必要はないでしょう。